誰でも描ける絵画って?
作業療法士 有賀喜代子
誰でも描ける絵(水彩画)の描き方とは
作業療法士として様々な障がい者の施設で共に絵を描いてきて20年以上経ちました。ワ
ンモア千里中央では2021年7月から絵画を担当しています。「絵なんて一部の人以外は描かれへんわ」という人が多いので実際に描けると喜んでくれるんですね。松本キミ子さんという画家の方が考案された誰でも絵が描ける描き方の「キミ子方式」を基にしていますが、教える中で「キミ子方式」通りでは難しい人もおられるので今は以下のように「きよこ方式」にしています。(きよこが変更点)
書き方ルール
ルール1,赤,青,黄の三原色と白,黒の5色を使って自分なりの色を作って描く。影を描く場合などに黒を使い、色づくりが難しい方には手添えして共に作る
ルール2,描き始めの1点を決めとなり隣りと描くのもOK、下書きをしたい人はそれもOK
ルール3,画用紙は足りなくなったら足し余れば切る、構図は描いたあとで考える
絵のモデルは描きやすい“もやし”から始め、季節の野菜、果物や花等を描く事が多いです。
描き方の特徴や大事にしている事
1,自尊心を高める活動;本物らしい絵が描けると「私もなかなかやるヤン」と思えマス
2,個性の多様さを実感できる;5人いたら5人の違いや個性が表現できそこが面白い
3,集中してしまう活動;本物を目の前に5色で自分の色を作って描くことで集中し余計
な事を考える余地の無い時間を持てる(それでスッキリする事も)
4,疲れたら休む、やめる;疲れのテンポを自分でわかるのが大事です
5,自己選択の機会を大切にする;絵を台紙に貼って仕上げるが、台紙は7,8色程の色画用紙から選んでもらい、題を決め、好きなサインをしてもらいます
6,描画後は感想を書き、作品を鑑賞して皆で感想を言い合う「シェア」の時間を作る;
絵でも口でも自己表現する機会に
参加メンバーの声
参加メンバーのアンケートの1部を紹介します(そのままではなく略してます)
『N氏(豆もやし);もやし、されどもやし・・・そしてもやしに強さを感じた
S氏(空);心の「よりどころ」になる心の庭のイメージを描いた。しんどくなったらこ
の心の庭で少しゆっくりしてまた現実に戻る感じ・・・
K氏(葉っぱ);初め調子悪かったのが、絵で言葉にできない所を表現できたからかスッ
キリした・・・また色味が他の方と全然違いそれも自分らしさかなと楽しかったです』
絵も感想も毎回豊かな表現があり、ワンモアでは私も楽しみな時間になっています。
大阪モノレールのYouTubeで展示の様子が公開!
2021年11月に行った少路駅モノギャラリーでの就労施設「ぽてと」さんとの合同作品展が「大阪モノレールYouTube」で紹介されていますのでよかったら御覧ください!