障害年金について
社会保険労務士・精神保健福祉士 山田 耕平
障害年金をご存じですか?
障害年金は意外と身近でけっこう使える制度です。
障害年金ではさまざまな疾患や障害が対象になります。手足の障害などの外部障害の他、がんなどの内部障害や精神障害も対象になります。
発達障害、高次脳機能障害、知的障害なども対象になります。
請求しなければもらえません
障害年金は請求主義です。請求しなければもらえません(受給には要件を満たす必要があります)。
「誰も障害年金のことを教えてくれなかった」という声を聞くことがあります。「知らなかった」が故の「請求漏れ」も少なくありません。「もしかしたら自分も該当するかも?」そういう思いで一度障害年金のことを考えてみてはいかがでしょうか?
診断書が重要です
障害年金は書類審査によって支給の可否が決まります。
審査では診断書が特に重要になります。どんなに障害の状態が重くても、診断書にその状態が適正に記されていなければ、不支給になってしまう可能性もあります。したがって、「どれだけ医師に自分の状態を適切に診断書に書いてもらえるか」が重要になります。そのためには、「どれだけ自分の状態を適切に医師に伝えられるか」が重要になります。正しく自分の状態を医師に伝え、適正に障害年金の審査を受けたいものですね。
障害年金の受給額
障害基礎年金2級の場合、年間約78万円が支給されます。 年金額は障害年金の種類や等級により異なります。障害基礎年金2級の場合は年間約78万円です。月約6万5000円です。それだけで生活するのは難しいですが、ないよりはあった方がいいと思います。1年間で約78万円だけでも、10年間で約780万円、20年間で約1560万円、30年間で2340万円です。
障害年金の相談窓口
障害年金の請求手続きは複雑なところがあります。
障害年金の請求についての相談は、年金事務所、街角の年金相談センター、市区町村役場で行います。障害年金の請求には、障害の状態だけでなく、初診日要件や保険料納付要件というものを満たさなければなりません。請求の前にそうした要件を満たせているかどうかを確認する必要があります。また、そろえないといけない書類も複数あり、手続きが複雑になることもあります。ひとりで進めるのではなく、相談窓口に確認しながら進めてください。
皆さんにとって障害年金が身近なものとなるよう願っています。