COLUMN
#協力企業様の声 #実績紹介 #知識

【JFRクリエ】企業の本音がわかる!一緒に働きたい人って?(セミナーレポート)

JFRクリエ 山岸卓也様

2022年12月9日に「企業の本音がわかる!一緒に働きたい人って?」というセミナーをワンモアで開催いたしました。特別講師として、株式会社JFRクリエの業務グループマネージャー兼社長スタッフの山岸様にご講演いただきました。

今回は、講演でのお話しについて聴講していたワンモアで編集させていただきました。

<本日の内容>
1. 特例子会社って?
2. JFRクリエ様のご紹介
 (1)沿革
 (2)安心して長く働ける環境づくり
 (3)業務内容
3. 就労を目指す上で大切にしてほしい3つのこと
 “人としての幸せ”を仕事の中に見出す
 “価値”を磨き、“評価”を高める
 いつも“自分ではない誰か”のことを想う
4. 働くってすばらしい
5. 参加者の感想

1. 特例子会社って?

皆さんは特例子会社という名前を聞いたことありますか?名前は聞いたことがあっても、普通の会社と何が違うのか疑問を持っている方も多いと思います。

まず、特例子会社とは、障害を持っている人が安定して仕事が続けられるように、親会社や同じグループの会社から仕事を受けて業務を行う障がい者雇用促進法で定められた子会社です。厚生労働省の許可を受けて、親会社は特例子会社で雇用されている方も親会社で雇用しているとみなし、障がい者雇用率に算定しています。

特例子会社では、障がいを持っていても、個々人の能力が発揮できるように、本人の特性に応じて、時短勤務や仕事(量や内容)の調整などの配慮を受けながら働くことができます。

ですが、それ以外は普通の会社と何も変わりません。なのでJFRクリエでは、ドクターにも治せないことに「(合理的)配慮」はしますが、仕事に「遠慮」はしません。大切にしているのは「成長と成果」「業績への貢献」だとおっしゃっていました。

2. JFRクリエ様のご紹介

(1)沿革

大丸松坂屋百貨店やパルコなどのJ・フロント リテイリング株式会社の特例子会社です。2017年4月に設立、9月に厚生労働省から特例子会社に認定され、また「大阪府障がい者サポートカンパニー」優良企業にも認定されました。

更に、2019年9月には「ハートフル企業教育貢献賞」受賞、2020年1月には厚生労働省から「障がい者活躍企業」に認定され、2022年には障がい者雇用の促進や雇用の安定に関する取り組みの実施状況が優良な中小企業に称される「もにす」に認定されるほど、障がい者雇用に熱心に取り組み、従業員の皆様が安心して活躍できる環境づくりにも力を入れられています。 またアビリンピックにも参加されており、様々な部門で多くの賞も取られています。

⑵安心して長く働ける環境づくり

障がい者雇用の就職1年後定着率は、知的障がいの方93.3%、精神・発達障がい者は80%ととても高い実績を持たれています。定着率が高い理由として、①特性や能力を活かし成長が実感できる仕事と役割があること、②就業時間や休日などの働きやすさに配慮された労働環境が整っていること、③全体ミーティングや定期的な面談の場を設け、個人を支える仕組みと安心感があることを挙げられていました。

⑶業務内容

JFRクリエ様は仕事内容が豊富で、約40種類もの業務があり、自分の強みや特性を活かして活躍できます。ワンモアの卒業生も数名働かれておりますが、今も自分に合ったチームで仲間と支え合いながら日々頑張っておられます。チームは大きくわけて以下の4つに分かれて取り組まれています。

オフィスサポート大丸や松坂屋で進物用に使われるリボン製作や、値札の作成、請求書などの印刷・封入作業など軽作業を中心に行われています。
PC/デジタル会議の音声を聴きながらテープ起こしを行い、議事録を作成したり、社用携帯(iPhoneやiPad)のセットアップを行われています。
清掃隣接するグループ会社のオフィスの清掃作業を行われており、社員の方が出勤されるまでに綺麗に仕上げられています。
伝票管理百貨店でのレシートや伝票の点検を行われています。ここでは、障がいのある方と一般の方が協働して業務に取り組まれています。

3.就労を目指す上で大切にしてほしい3つのこと

“人としての幸せ” を仕事の中に見出す

人としての幸せとは何かについて、マズローの5段階欲求説をもとにお話いただきました。

マズローの5段階欲求とは、一番最下層の「生理的欲求」から始まり「安全欲求」「所属と愛情の欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」という5つの段階があります。そして、これら5つの欲求にはピラミッド状の序列があり、低次の欲求が満たされることで、もう1段階上の欲求をもつようになるという理論です。

(参考:〔改定新版〕人間性の心理学 モチベーションとパーソナリティ A.H.マズロー著,小口忠彦訳)

例えば、お金がなくて食べ物を買うことができない状況下では食料の確保に精一杯で、「将来どんな自分になりたいか」などを考える余裕はないですよね。

生理的欲求~承認欲求まで満たされて初めて、「自分の能力を会社で活かしたい」「社会に貢献したい」という最も高度な欲求が生まれてくるのです。その欲求こそが、“人としての幸せ”なのではないかというお話でした。

確かに私も話を聞いていて、なかなか寝られていない時やストレスがかかってしんどい時には「寝たい」「早く帰ってゆっくりしたい」という気持ちが優先し、目の前のことにいっぱいいっぱいになってしまいがちだなと思いました。そういう時にはネガティブ思考に陥りやすいですし、未来に対して希望を持つことなんてできません。何なら将来に対して不安を感じていることの方が多いような気がします。

ですが、生活環境や体調面も良好、安心して働ける職場環境があり、自分を受け入れてくれる家族や仲間がいると、「もっと自分に出来ることはないだろうか」「みんなの役に立ちたい」などの気持ちが湧いてきますよね。そういう時には、ポジティブな思考や行動が多くなりますし、不思議なことに色んなことにもチャレンジしてみようかなという気持ちになるなぁと振り返ってみて思いました。

“価値”を磨き、“評価”を高める

働くことに対し給料を得ることはもちろん重要ですが、それ以上に正しく自己理解ができていることが大切だと教えていただきました。ここでいう自己理解とは、自己評価と他者評価が一致している、もしくは近似しているということです。

皆さんは仕事やプライベートで自分は出来ていると思っていても、他者から見ると出来ていないと言われた経験はありませんか?逆もしかりで、“自分に自信がなくて、全然できていない”と思っているけど周囲からするとすごく出来ていると評価されていることもありますよね。

自分を過信しすぎるのも良くないですが、自己評価を必要以上に下げすぎてしまうのも周囲とのギャップがあってしんどくなりそうだなぁと話を聞いていて感じました。

私も自分に自信が持てなくて、周りから「あの人全然出来ていないのに、なにか勘違いしているんじゃないか」なんて言われるのが怖くて自分自身を過小評価してしまうこともありました。

山岸様は、「自分自身を大切にすること自分のことを好きだと思えることは、人としての成長に繋がる。自分を受け入れてあげることは自己理解を深めて行くうえでとても大切なこと」なのだと、私たちに教えてくださいました。その時の言葉がすごく心に響いたのを覚えています。

自分を客観的に正しく理解すること、他者評価と一致させることは少しハードルが高い印象がありましたが、自分自身を大切にすることからだったら出来そうかも…。と思えたんです。

もし、自分を過大評価・過少評価してしまって周囲の評価とギャップを感じることがある方は、少し自分と向き合う時間を作ってみるのがいいかもしれません。また、自己評価と他者評価のズレがあるかわからない、1人で自分自身とどう向き合っていいか難しいと感じる方も多いと思います。そういう時は、ぜひ周りを頼ってください。家族や仲間でもいいですし、ワンモアに通所して自己理解を深めるプログラムに入ってみたりするのも一つかもしれません。

いつも“自分ではない誰か”のことを想う

医療や行政の役割をもとに、山岸様が思う企業の役割についてお話しいただきました。その中でクリエの従業員の方の感動的なエピソードもありました。

出先で荷台に乗せた郵便物を運んでいる途中に雨が降ってきたら自分が濡れないように傘をさすと思いますが、従業員の方は“誰かに届く予定の郵便物が濡れないように”とこれから郵便物が届く相手のことを考えて、自分ではなく郵便物に傘をさしたというお話でした。

確かに郵便物が届いた時、雨に濡れてグシャグシャになっていると、荷物を送った側だとしても受け取る側だったとしても悲しい気持ちになりますよね。セミナー会場にいた皆さんの心さえも暖かくしてしまうような、この従業員の方の“自分ではない誰か”を思って咄嗟に出た行動はとても素晴らしいですよね。

どんな時でも自分ごとのようにお客様や一緒に働く仲間のことを想える人こそ、企業からは求められ、企業はその人に対して活躍できる場や環境を提供することが役割なのだと教えていただきました。

4.働くってすばらしい

とは言っても、働くって大変ですよね…。たった1日会社で仕事をしているだけで「疲れたな~」「つらい」「悔しい…」などのネガティブな感情や、「楽しい」「嬉しい」「ありがとう」などのポジティブな感情が、たくさん入れ替わっているんですよね。

山岸様が講義の中で「1日出勤していて感じた気持ちをノートに書きだしてみた」とお話されていたので、私も実際にどんな感情があるか書き出してみたんです。ただいつも通り仕事をしているだけに見えても、書き出して後で振り返ってみると本当にたくさんの感情があることに気づきました。それと同時にこんないろんな感情があるなかで、1日仕事をやりきった自分すごい!頑張ってる!って思えたんです。

これは仕事をしている人だけではなく、家事や子育てをしている人、学校に通っている人、それ以外でも何かに取り組んでいる人すべてに言えますよね。私たちって自分が思っている以上に頑張っているんですよね。本当に偉い!このコラムをここまで読んでくれたあなたも素晴らしい。ありがとうございます。

そうやって、自分自身の頑張りを認めてあげて、周りにも受け入れてくれる同僚や先輩・上司がいる。その上“誰かの役に立てる幸せ”を感じられたら、多少ネガティブな感情があったとしても、「この仕事やっててよかった」「今日も頑張ろう」って思えそうですよね。

 今日はこの業務を頑張ったから、ちょっといいアイスを買って帰ってみたり、コンビニのコーヒーじゃなくてちょっとオシャレなカフェのコーヒーをテイクアウトしてみたり…。頑張った自分にご褒美を準備してあげるのも自分自身を大切にしてあげることにつながると思うんです。

5.参加者の感想

今回のセミナーを聞いて、働くことは時に大変なことや辛いことも多いですが、JFRクリエで働かれている皆様のように、互いに尊重し、みんなで支え合いながら日々業務に取り組むことができる。そして自分の特性を理解し、能力を活かして活躍できる環境で働くことができるのは、とても素敵だなぁとお話を聞いていて強く思いました。セミナーに参加されていた方々からも、「企業が求めている大切な点が分かりやすかった」「とても熱い想いが伝わった。こんな会社で働きたい」という感想が多く挙がりました。

自社の取り組みや、自己理解や評価をどのように捉えるのか。そして、自分ではない誰かを想いながら仕事をすることの大切さなど、企業の立場からたくさんの熱いお話をしてくださった山岸様に深く感謝申し上げます。

お忙しい中、本当に素敵なご講演をありがとうございました。

丸

CONTACT

お電話でのお問い合わせ

受付時間:平日10:00~17:30
豊中・
千里中央
06-6852-3007
三宮
078-262-1070
八尾
072-975-5211

メールでのお問い合わせ

詳しいサービス・サポート内容など
お気軽にお問い合わせください。

トリのイラスト トリのイラスト
トリのイラスト
木のイラスト