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認知行動療法とは?~基本的な考え方をご紹介~

今回のコラムでは、認知行動療法の基本的な考え方についてご紹介したいと思います。

「認知行動療法」は、考え方や行動を変えることにより辛い気持ちを軽減する心理療法で、うつ病に治療効果があることが実証されています。最近では、認知行動療法は、職場や学校などでも使われるようになってきています。

認知行動療法とは?

認知行動療法では、認知(考え)と行動、感情は密接に関係していると考えます。たとえば、昨夜友人にメールを送ったものの返事が返ってこないとしましょう。ある人は、「私は友人に嫌われているんだ」と考えたとします。そうすると、憂鬱な気分になり、その友人に自分から連絡を取るのをやめるかもしれません。また、ある人は、「メールは早く返すべきだ」と考えたとします。そうすると、怒りの気持ちがわき、その怒りの気持ちを友人にぶつけてしまうかもしれません。

このように、同じ出来事が起こったとしても、考え方次第で気分や行動が変わってくるのです。そこで、考え方を柔軟にしたり、行動を変えたりすることによって、辛い気持ちを和らげるのが、認知行動療法の基本的な考え方です。

認知行動療法では、「自動思考」に注目します。自動思考とは、その場でパッと頭に浮かぶ思考のことです。たとえば、ミスをしたときに「またやってしまった」という考えがパッと頭に浮かびます。これが自動思考です。頭の中では、自動思考が浮かんでは消えることを繰り返していますので、意識していなければ、自分の自動思考に気づくことができません。考えが変われば、辛い気分も変わります。考えを変えるために、まずは自分の自動思考に気づくことが大切です。

具体的な方法とは?

「認知行動療法」は、考え方や行動を変えることにより辛い気持ちを軽減する心理療法と冒頭で書きましたが、どうやって考え方や行動を変えるのかについてもう少し具体的にご紹介します。

 まずは、行動を変えることについてです。ごく日常的な行動の積み重ねによってこころを元気にしていくことを「行動活性化」と言います。こうした行動には、最近楽しかった活動ややりがいを感じた活動、過去にやって良かった活動ややりたかった活動、考えすぎないですむ活動(体を動かす、片付け、漫画を読むなど)、気分にそぐわない活動(落ち込んでいるときに明るい服を着る、鼻歌を歌う、スキップするなど)、何もしない活動(ぼーっと空を眺める、ゆっくり風呂に入る、入浴剤を入れる、寝室でお香を焚く、など)いろいろなものがありますので、自分にあったものを選ぶようにしてください。「やる気」は待っていても出てきませんので、少しずつ活動していくことによって、しんどい気持ちを楽にしていきます。

次は、考え方を変えることについてです。気分が優れないときには、ものごとの悪い面ばかりに目がいきがちになります。そこで、いい面も悪い面も両方見る、柔軟で現実的な考え方ができるようになることを目指します。たとえば、「友達が同じことで困っていたら自分はどのように声をかけるだろう?」「その考えに客観的な根拠はあるだろうか?」などを考えていくことにより、柔軟な考え方ができるようになります。

 

参考文献

こころの耳 15分でわかる認知行動変容アプローチ1

福井至・貝谷久宜(2020)図解やさしくわかる認知行動療法 ナツメ社

丸

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